鳥取市は今日も快晴、
予想気温も23度、
こんな日に家に籠っているわけにはいかない。
車を走らせ、西へ向かう。
日本海沿いに伸びる国道9号じゃなく、
かつては通勤に使った道を使う。
いってみれば裏街道だ。
市街地を抜け、ホームコースのゴルフ場を過ぎ
城下町、鹿野に入る。
少し早めの昼食を摂ることにした。
すげ笠御膳(1100込)
鹿野管笠・・約400年前鹿野城主亀井玆矩が農村振興の一助に
副業として奨励したことに始まるとされている。
筍ごはんやこごみの天婦羅、名物の鹿野そばなど
地元の旬の食材をたくさんの小鉢に丁寧に盛り付けられ
味はどれも申し分ない。私には量的に物足らないが
女性には人気の御膳だ。
そして、もう一軒、
都会から移住した若い店主が
一品一品丁寧に焼き上げたパンが人気の
民家を改築した小さな店だ。
何点か買い求め、
さて出発 🚙
今回の目的地はここではない。
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ここからは河内川に沿って
ひたすら山に分け入り
車を走らせること10分、
上流にかかる橋を右に渡れば、
佐谷峠だ。
何だかとても懐かしい。
何度も何度も走ったこの道。
体に染みついたRは忘れてはいない、
曲がりくねった峠道を上り、
しばらくすると頂に出る。
そこからの見晴らしは
また格別だ。
この景色も変わらない、
大きく深呼吸。
そして、ほどなく私がかつて働いていた三朝温泉だ。
でも目指すところは
ここでもない。
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倉吉市だ。
鳥取県中部に位置する人口5万ほどの小都市である。
今でこそ、「孤独のグルメ」などで広く知られるようになったが、
日本国内よりもむしろ海外での評価が高い鳥取市出身の漫画家
「谷口ジロー」氏の2004年発表の作品
「遥かな町へ」は、この街が舞台になっている。
切なさとノスタルジー溢れるこの作品のところどころに
江戸時代から昭和にかけての町家や赤い石州瓦を葺いた
白い漆喰の土蔵群が立ち並ぶ通称、【赤瓦】と呼ばれている
国の重要伝統的建造物保存地区が描かれている。
こじんまりとした町家風の土産店や
土蔵を改造した民芸館などをゆっくり見て回る。
無機質なモノがあふれる中、
ひっそりと、でも確かな息遣いを感じる街並み、
時間がここだけ静かに流れているようで
私はとてもいい気分になった。
鹿野から倉吉へ。
往時の面影を色濃く残し、
江戸、明治、大正、昭和、そして平成と
生き抜いた
武家屋敷や古民家や商家。
いつまでも残してほしいこの風景も
もうすぐ‘’令和‘’を迎える。
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