マスターズが開催される
11番、12番、13番の3ホールは
‘’アーメンコーナー‘’と呼ばれています。
ゴルフファンなら、一度は耳にした言葉ですね。
特に高台というわけではないのですが、
風の通リ道になっていて、それが強弱を繰り返し、
時には、激しく渦巻き、選手たちを苦しめ、スコアを
大きく左右することで、
もう神様に祈るしかないほどの
難ホールということで名付けられたそうです。
特に、最終日の優勝争いをしている選手達にとっては
何とか無事にやり過ごしたい3ホールです。
しかし、難敵は風だけではありません。
距離、フェアウェイの傾斜、横切るクリーク、小さなグリーン、
`’ガラスのグリーン`’と形容されるほどのそのグリーンの速さ・・
それを攻略できた者が、グリーンジャケットを着ることが
出来るのです。
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◎ アーメンコーナーのその3ホール、
それぞれを見ておきましょう。
❚ 11番ホール
500ヤードを超える、とにかく長い右ドッグレッグのミドル、
ティーショットは飛ばしたいが、最短を狙うと
右の林に吸い込まれる可能性がある。
たとえ、ティショットが上手くいっても、2打目は結構残り、
しかも急激な打ち下ろしになる。
セカンドは、左手前の池も気になり、グリーンも池に向かって
傾斜している。
池を怖がって右に避けると、池に向かって
下っていく難しいアプローチが残る。
風を正確にジャッジし、ピンポイントでグリーンに
乗せることは、たとえトッププロでも決して容易では
ないでしょう。
❚ 12番ホール
プロにとっては、短いショートホールである。
風がなければ、9番くらいで打てるだろう。
ただ、それは、風がなければである。
ひとたび風が吹けば、同じ組でも、打つ順番で
風向きが激しく変わるという。
グリーンのタテの幅が広い所で13ヤード、
狭い所で9ヤードしかない、しかもバンカー越えだ。
風の判断を間違えば、手前のクリークに落とすこともあるし、
奥のバンカーや、さらに奥の林に打ち込んでしまうこともある。
奥からは、手前に向かって速い下りのグリーンだ。
ティショットで、小さなグリーンを捉えることが出来なければ、
パーをとる事さえ難しい。
短いからといって決して侮れないショートなのである。
※2016年大会の最終日、
トップでこのホールを迎えたジョーダン・スピース。
一打目は、グリーンに届かず、手前の傾斜を下って
水面に転がり落ちた。
第3打、ピンまで80ヤード地点にドロップ、
仕切り直しのその打球は、またもや手前のクリークへ。
5打目も、グリーンをオーバーし、奥のバンカーへ。
結局、このホール、6オン1パットの「7」。
すぐ目の前にあった優勝を逃したこのスピースの悲劇は
記憶に新しいところです。
❚ 13番ホール
距離もないだけに、少なくともバーディは欲しいホールだが、
それだけに仕掛けられたワナも多い。
ティショットがストレートボールなら、270ヤードで
正面の林に入ってしまう。
ドローボールを打てればいいが、フェアウェイは大きく左に
傾斜していて、その左にはクリークも走っている。
平均220ヤード残るセカンドショットは当然つま先上がりになる。
つまり、ボールは左に行きやすい。
乗ればいいが、左にこぼせば、砲台グリーンへのアプローチが残る、
そのグリーンは、左上から右下に向かって強い傾斜があり、
スピードも速い。
グリーン右サイドに乗せたいので、フェードで狙いたいところだが
クリークがグリーン手前から右奥へ伸びている。
勇気をもって2オンを狙うのか?
それとも3打目に賭けるのか?
※ちなみに、1978年の大会で、中島常幸がこのホールで
13打を叩き、いまでもワーストスコアとして残っています。
どうですか?
さすが、世界中の名手たちが覇を競うに相応しい難コースですね。
マスターズは、コースとの戦い、コース設計家との戦いでも
あるわけです。
果たして、松山は?タイガーは?
どんな攻め方を選択するのでしょうか?
待ちきれない世界最高のゴルフの祭典、
マスターズ、
開幕は5日後です!