遼クンの屈辱的な予選落ち、
遼クンもショックだろうけど、
我々ファンはもっとショックだ。
あわよくば、優勝争いに加わって、
さすが石川遼というゴルフを
見せて欲しかった。
あの頃の目の輝きを私は感じられなかった。
自信なさそうな目をしていた。
不安が頭をよぎったとき、
自分を信じられないとき、
ショットは曲がり始める。
石川遼のゴルフだと言ってしまえばそれまでだが、
なぜ、ドライバーショットにこだわるのか?
私は、もうひとつ理解できないのだ。
ゴルフは、ドライビングショーではない。
遼クンが世界一の飛ばし屋なら、ギャラリーはそれを見たいし、
遼クン自身もそれにこだわざるを得ないだろうが、
どんなに頑張っても、ダスティン・ジョンソンには
勝てないのだ。
飛ばせば、短いアイアンで
グリーンを狙えるのは分かる。
でも、飛ぶ人が9番なら、6番で打てばいいじゃないか。
後ろから、乗せられたほうが、前の人は嫌なものだ。
9番で打つ選手が、6番で打つ選手より、必ずピン近くに
打てる保証なんかこれっぽっちもない。
プロの試合は、スコアで勝つこと。
たまの300ヤードショットを見たいわけでなない、
18番のグリーン上で、高々と優勝カップを掲げる
石川遼の晴れやかな笑顔を見たいのだ。
なんでもかんでもドライバーで飛ばしにかかる、
つまりこれは、100切り目前で、いつも失敗している
我々アマチュアと同じじゃないか。
やはり、アメリカでガタイのいい選手たちの
異次元のショットに遼クン本来のゴルフを
見失ったようだ。
距離を欲しがり腰を痛め、
それから腰に負担のかからないスイングを覚え、
私はひとり安堵していたのだが、
いつしか、またマン振りゴルフに戻ってしまった。
遼クンのゴルフは、精度の高いフェードボールと
アプローチショットが生命線だったはず。
この日本オープン初日のOBは、まったくの振り遅れだった。
距離の出るドローを打ちたかったのだろう、
クラブが下から入る完全なあおり打ちだった。
飛距離を求めるあまり、
手の振りだけを強調するような、
いわゆる、手が常に体の前にあるような一体感がない。
今どきのクラブは、手元を早く振ろうとすればするほど、
振り遅れるようになっている。
この試合前に、「今までで、一番ヘッドスピード(52m/s)が
上がっているんですよ」と、遼クンは語っていたらしい。
私は、嫌な予感がしていた。
まだ、そんなこと言ってるのかと少しガッカリした。
【インパクトで前傾姿勢が崩れ、手の位置がアドレスより
10~15センチも高くなっていた】
遼クン自身の予選落ち後の自己分析だ。
【これから何千発かわからないが、年内は
打ち込みに集中し、修正したい】とも言っている。
もちろん、練習は必要だ。
上手くなるためには、練習しかない。
ただ、ゴルフは、ドライバーだけ使う競技ではない、
FWだって、UTだって、アイアンだって、
ウェッジだって、パターだってある。
より、アプローチやパッティングを磨くとか、
ロングアイアンなら誰にも負けないくらいの技量に
もっていくとか、戦い方はいろいろあるはず。
ドライバーが飛んで有利なのは、
フェアウェイに打てばこそ、
少し飛距離を落としてでも、
フェアウェイにもっていくことが
今度のような大舞台のセッティングの戦い方だろう。
遼クン、
ゴルフは、失敗した経験量も頭も
立派な武器なんだよ、
26歳、まだまだ、これから!
頑張れ! 遼!
老婆心ながら・・・一ファンより。