こんな穏やかな年明けは、あまり経験がない
差し込む日差しは、春のように暖かい。
遠くに見える山々にも、雪はない。
窓を開けて、空気の入れ替えをする。
毎年、毎年、正月らしさが無くなっていくような、
今年は、特にそんな気がする。
家の中で、漫才を見ている場合じゃないと
フト、思った。
外に出よう
そうだ、海を見に行こう。
車を走らせた。
市内から、鳥取砂丘まで、約15分。
短い「砂丘隧道」を、抜けると
目の前に大砂丘と日本海が見える
砂丘前の信号を左に折れる。
砂の美術館周辺には、数件、ドライブインや食堂、
カフェ、お土産やさんが立ち並んでいる。
ベンチに座った若い女のコたちが、
ソフトクリームを手にして、笑っていた。
その先の鳥取砂丘の駐車場には、元日とはいえ、
県外ナンバーの車でいっぱいだ。
その先、2,3分も走れば、左手に日本海が広がっている。
海岸ロード脇に車を止め、海辺に降りる。
風が心地よい。
しばらく眺めていた。
車に戻り、タツローの『風のコリドー』を流す。
やっぱり、いいな。
ピッタリだ。
でも、この季節に、聴くなんて思わなかった。
わずか、一週間前には、『クリスマスイブ』を
聴いてたのに。
そんなこと、海を見ながら、思っていた。
もう少し、車を走らせよう
遠回りして帰ろう。
もう少し、いい気分でいたい