もう30年前の話です。
弟の方が、先にゴルフを始めていて、何度も「行こう」、「行こう」と
誘われていたのですが、当時、私は社会人のサッカーチーム(弱い!)に、
入っていましたし、ゴルフなんぞ、⦅簡単そうだし、もっと年くってから
でも、出来るわ⦆、とナメテましたし、興味もありませんでした。
それでも、弟があまりにしつこく誘うので、断り切れず、一か月後の
コースデビューを約束したのです。
それから、何回か、練習場に通い、デビュー戦は、近くのゴルフ場の
夕刻プレー・・・
当然、まともに当たらないし、スコアなんか付けられる状況じゃ
ありませんでしたが、終盤、打ち下ろしのロングの2打目でした、
打ち放たれたボールは、快音を残し、夕闇迫る中、美しい軌跡を
描き、グリーンに着弾したのです。
この瞬間、<これだ!><コレ、コレ!>と、心の中で叫びました。
次の日、サッカー辞めました。
年齢的にも、そろそろかなと思ってましたし、
難解で、面白く、そして不思議なこのスポーツに、一発で魅了された
からです。これから、長く楽しめそうだし、なにより、
あの手に残る感触を、又、味わいたいと思ったからです。
もうそれからです、毎日のように、練習場に通い、家では素振り、
ゴルフ雑誌を読み漁り、開眼しては、閉眼のくり返し。
練習をすればするほど、ゴルフの奥深さを知りました。
やっとそれなりの上達を実感できるようになった頃、
大好きなゴルフを止めざるを得ない状況になってしまいました。
訳あって、仕事を辞めたからです。
子供もまだ小さかったし、ゴルフなんかやってる場合では
なくなったのです。悔しかったけど、すべて自分の責任。
ゴルフクラブはすべて手放しました。
当然、練習場とは無縁になり、素振りもできません、テレビの
ゴルフ番組も、全く見る気にもなりませんでした。
何とか、食いつなぎ、数か月後、有難いご縁をいただき、
やっと希望の仕事を見つけることができたのです。
私には、とても、とても、長い期間に思えました。
仕事にも慣れ、やっと生活も落ち着いた頃、家人のOKも出ました。
また、晴れて、ゴルフを再開できることになったのです。
友人たちから、クラブを貰ったり、安い中古クラブを買い揃えて
しばらくぶりに、ティーグラウンドに立った時のあの感激は
今でも忘れていません。
その後も、何度かゴルフを中断せざるを得ない時期がありました。
仕事のこと、家庭のこと、親のこと・・
なかなか、人生は思うようにはいかないものです。
でも、今、こうして皆さんと一緒にゴルフを語れること、
本当に幸せだし、ありがたいことです。
大自然のなかで、球を無心に追いかけ、
柔らかい日差しを浴びて、深呼吸。
遠くグリーンの旗に風を感じ、
緑のフェアウェイで、友と語らう。
ゴルフ場に咲く花々で、四季を感じ、
ナナカマドの赤を知る。
まさに、大人の遠足です、今でも子供のころのそれと
同じように待ち遠しい。
ゴルフに出会えたことに感謝です。
ゴルフができる健康に感謝です。
とりあえず、安い料金設定日にしか出られなくても感謝です。
世の中には、したくてもできない人が大勢いるんですから。
感謝するということは、それに真剣に向き合うことだと
思っています。ゴルフは自分を写す鏡です。
ゴルフという名の修行です、
昔、先輩が言ってました・・
「90切ったら、一人前。100切ったら、趣味がゴルフって、人にいっていい。
切れなかったら、ゴルフみたいなもんをやってますっていうんだ」。
これを見てくださっている貴方なら、ぜひ80台に挑戦してください。
挑み続けることが尊いのです。
又、一ランク上の素晴らしい世界が広がっていますよ・・